お茶会

 

「ティッキーもバカだよねえ」

頬杖をついて、少女は目の前に置かれたぽってりとした愛らしい形の物体に、片手に持った銀色のフォークを突き立てた。

ぶすりと鋭い先端を突き立てられ、見事なデコレーションを施こされていたミルフィーユはグシャリとつぶれてしまった。薄くパイ生地を何層にも積み重ねた茶色い板と板の間から、黄色っぽい脂肪分たっぷりのクリームが、真っ赤な苺を孕んだまま産み落とされた。

「後でこっそり言えばいいのにぃみんなの前で言うんだもん。あ、落ちたぁー。キャハハハハ!」

ぼてりと落ちた白いぶくぶくとした塊をみて、少女は甲高く笑う。

「そうレロねー」

幾重にもドレープをつくる、裾にあしらわれたレースも華やかなクロス。それに包まれて素顔を見せない重厚なマホガニーの机の上に置かれて、横にその光景を見ていたレロが相槌をうった。

「ティキぽんですからね★♪」

ロードのケーキから零れた生クリームのような色の毛糸を二本の棒で編みながら、千年候は一言で終わらせてしまった。せっせと棒を動かし続ければ、極太の毛糸に相応しいざっくりとした編み目の布が長く伸びていく。

「ダメあにぃー」

愉しげに笑って、ロードは乳白色の皿の上に落ちているクリームにまみれた苺に狙いを定めた。

本体を串刺しにしていたフォークを無理矢理ひきぬけば、かろうじて全壊を免れていたそれは瓦解する。それを気にも留めずに、少女は、ぷすりと勢い良く赤い果実を突き刺して口に運んだ。それでもう満足したので、手元の皿を遠ざけて新しい皿を引き寄せる。

ピンク色の液体を撒き散らして消えた苺がのっていた陶器には、見るも無惨に崩れたケーキの残骸だけが残った。

 

 

 

 

        

[ Oh my God!! ]の頃の家族の光景です。

[ Oh my God!! ]、先日とはうって変わってお兄ちゃんが積極的でしたが。

上でも言ってますが、本当に、なんの気もなしに朝食の席で面と向かって言っちゃいました、ティキ・ミック卿。

あとでこっそり誘えばよかったにね(涙)

あほの子ですみません。

あ、ちなみに小説内に描写はありませんがティッキーは無傷ですよ

一応お兄ちゃんなんで

兄の威厳として

でも、力を使えてないだけで、アレンの方が潜在能力的には上ですから

それから結局この後アレンが根負けしてティキぽんは本懐を遂げられます

その後ねちねち嫌味を言われまくりで、家族内から村八分をくらいますが

ロードからは「ダメあにぃー」と言われ続けますv